BISOU*さんの工房見学に行ってきました。


* * *
最近改装したばかりという工房は、打ちっ放しのコンクリートと
大きな窓のある扉から日差しが入って明るい雰囲気。
入ってすぐのところには冒頭の写真に写っている年季の入った糸鋸が出番を待っていました。
お祖父さんの代から40年以上続いてきた工房である尾崎工芸さん。
これまでは貴重な象牙や珊瑚などの素材に彫刻を施してきたのだそうです。
以前は6名いた職人さんも引退されたりなど、今は二人に。
今でも一人の職人さんあたり何十〜百という注文を抱えられているそうで、
職人さんの貴重さを改めて感じました。
今、新しく修行されている職人さんもいらっしゃるとのことで、
これからが頼もしいですね。
尾崎工芸さんでは、大ぶりなブローチに技術の粋を尽くした、
ボリューム感のある華麗な装飾品としての作品作りを得意としています。
それとはまた違った角度から、いつもそばにつけていられるような普段使いのアクセサリーで
天然の素材や職人さんの手仕事の美しさを提案したいと
BISOU*さんのブランドは始まったのだそうです。

工房の中には見たこともない大きな機械や、沢山の資料、切り出された材、
職人さんの道具などが所狭しと置かれていて、興味津々です。
その中でもまず、目に飛び込んできたのはこちらの「角」
ごろごろっと無造作に置かれていますが4〜50cmの大きさがあり、すごい存在感です。
水牛の角は中が空洞になっていて、筒のような感じです。
水牛の角は生え変わりなどがない為、農耕などの目的で飼育され、
寿命を全うした個体から角の部分を採集しています。
近年はそうした農耕に使われる水牛の数も少なくなってきたため、
価格も上がりつつあり、貴重な素材となっています。

筒の状態の角では曲がっていて加工しにくい為、切断してプレスするとこのような板状になります。
白っぽかったり濃い茶色であったりといろいろな色のものがあります。
作品を仕上げる際には、厚みや色味など、
どの部分を使用して仕上げていくかも考えながら切り出されていきます。

この分厚いファイルには職人さんのデザインの図案がまとめられています。
職人さんはそれぞれ自分のデザインを持っていらして、
それをそれぞれに管理し、制作しているのだそう。
同じ図案がいくつもシールのように並んでいます。
これは、この図案の注文が入った時に一枚切り取って、材に貼り付け、
糸鋸で図案をなぞるようにして切り出していく為に、あらかじめ準備されています。
いつもはツヤツヤの姿ばかり見ているので、なんだか新鮮です。
この糸鋸で切り出す作業が一番大変なのだそう。
図案に沿ってカットしていくほか、透かしで切り抜きのある部分には
あらかじめ1ヶ所ずつボール盤で穴を開けておく作業も必要になってきます。

そして彫りを施していきます。
沢山の使い分けられている刃先は粉塵で真っ白。
水牛の角の層の色合いを見ながら、残しておく部分と掘り下げる部分を考えます。
べっ甲のような飴色と優しいアイボリーの色調が合わさって立体的に仕上がっていきます。

沢山の工程を経て、仕上がったブローチたち。
こちらのケースに大事に並べられているのは尾崎さんのコレクションです。
改装した工房の2階はすっきりとした空間になっていて、
アンティークの家具とちょこちょこと飾られた器などの雑貨がとても素敵なお部屋になっていました。
いつか準備ができたらワークショップなども開けるスペースにしたいと構想中だそうで、
今後が楽しみです^^

こちらは阪急うめだ10階文具売り場内にあるalphabetのガラスのショーケース。
こちらにもBISOU*さんの作品をお届けしてきましたよ。
北山でもまた違ったデザインのものを手にとっていただけますので、
ぜひご覧くださいね。
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